2007年08月30日

大円高時代へ突入か?:読売ウィークリー引用

「大円高時代」へ突入か FXのワナ

 円安を背景に「儲かる」と喧伝されて、急激に一般の投資家たちにも浸透して
きた外国為替証拠金取引(FX取引)。だが、8月中旬、ニッポンを急襲した世界同
時株安と円高で、円安を見込んでいたFX投資家も大損を食らった。果たしてFX投
資は大丈夫か、それとも今こそ買いなのか。

本誌 瀬川大介


世界同時株安による米ドル不信は急激な円高・ドル安をもたらした(17日午後3時10
分、東京・千代田区で/上甲 鉄 撮影)
 前年比62%増――この数字を見れば、FX投資が短期間でどれほど急増したかが
わかるだろう。FXは一定の金額(証拠金)を担保に数倍、場合によっては何十倍
もの多額の為替取引ができる金融商品だが、この証拠金の残高が2007年3月時点で
前年比62%増の6133億円に達したとする試算もあるのだ。

 このFX投資を、8月中旬の急激な円高が直撃した。

 「本当に痛い目にあいました。FXの資産は10分の1になってしまいました。円高
にある程度は振れると思っていましたが、まさかここまでとは……」

 FXに数百万円を投じていた都内在住の女性は、そう悲鳴をあげる。8月13日から17
日までで円相場は1ドル=118円台半ばから111円台半ばと7円も円高に振れた。こ
れで、FXの証拠金残高だけで1〜3割も吹き飛んだとの観測もある。

 というのも、FXは一般の為替相場同様、円でドルを買った人は、円安になれば
儲かり、円高に振れれば損が出るが、証拠金と取引額の差が大きければ大きいほ
ど、ハイリスク・ハイリターンになるからだ。

 たとえば、1ドル=100円の場合、証拠金の10倍の取引ができるFXを活用すれば
、10万円で1万ドル分の取引ができる。1ドル=110円になった時点で売れば、10万
円の投資で、10万円の「儲け」を得ることになる。一方、円高で1ドル=90円にな
れば、それだけで10万円分を損することになるのだ。

 では、為替相場はこの先どうなるのか。「円高傾向は限定的」と見るエコノミ
ストもいて、今後を楽観視するFX投資家もいる。そんななか、シンガポールのヘ
ッジファンド運用会社代表の横森一輝氏は、

 「FXは大変危険です。なぜなら、今後も円高が進み、数年以内に1ドル=100円
割れすることも想定されるからです。事実、既に海外のヘッジファンドは日本の
円高を見越して『日本買い』を進めています」

 と話す。横森氏の描く円高のシナリオは、こうだ。

 今回の世界同時株安は、米国の低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン
)の焦げ付き問題が露呈したことが背景にある。このことで銀行などは低所得者
への融資を控える動きを強めていくと見られる。

 「実は、アメリカの個人消費を支えていたのはこうした低所得者と言われてい
ます。銀行が融資を控えれば、低所得者がモノを買わなくなり、米国の個人消費
が低迷、景気が落ち込むことが予想されます」(横森氏)

金利面でも円高への舞台
 そもそも最近の円安は、日本が世界的に超低金利なので、投資家が円を金利の
高いドルなどに切り替えて運用していたことが大きい。しかし、米国が不景気に
なれば、米連邦準備制度理事会(FRB)はおカネを市中に潤沢に注入して景気を立
て直すため、公定歩合を段階的に引き下げるようになる。

 一方、日本では日本銀行がようやく利上げしたばかり。別のヘッジファンド関
係者は「日銀は今後しばらくは金利を上げることはあっても、下げることはない
」と断言する。

 そうなると、日米の金利差が縮小し、円高への舞台が整うことになる。加えて
、サブプライムローン問題の拡大と米国景気の悪化による米ドル不信が円の買い
戻しを加速させ、「大円高時代」をもたらす。

 FXのリスクが改めて露呈した今回の円高。円相場は24日現在、1ドル=116円台
で落ち着いているとはいえ、低倍率で堅実に稼ぐか、今後もハイリターンを追い
求めるのか。いずれにせよ、投資側にマクロ経済の精査が必要のある極めて高度
な金融商品であることだけは間違いない。




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posted by poconyan at 16:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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